野田努氏が手がけた、日本展開版におけるライナーノーツにも注目集まるバトルスのリミックスアルバム「ドロスグロップ」が話題を集めています。
デイヴ・コノプカ、イアン・ウィリアムス、ジョン・ステニアーの3人からなるエクスペリメンタル・ロックを追求する同バンドは、原盤となった前作「グロス・ドロップ」において既に大きな知名度を誇っていました。そんな彼らのさらなるリミックス展開である同作だけに、洋ロックファン垂涎の一枚となっているのです。ハドソン・モホーク、ギャング・ギャング・ダンス、またオリジナルバージョンへも携わった、ヤマンタカ・アイ、そしてフィールド、コード9、ギ・ボラットと、業界においては知られた存在である豪華なメンツが集結した形となっています。
全12曲からなる同アルバム展開において、中でも目立ったナンバーに、9曲目に収録された「Ice Cream」が挙げられます。リミックスは「ギャング・ギャング・ダンス」のブライアン・デグロウが手がけており、バトルスメンバー自らも高い満足度を語るほどの仕上がりとなっています。「ギャング・ギャング…」が2011年にリリースしヒットを成功させた「Eye Contact」における、独自のテイストが反映された音づくりが特長的です。
攻撃的でどこか危険な雰囲気を醸し出すバトルスサウンドに、さらに「奇妙さ」を加えた仕様は、他の曲にはない存在感を演出しています。
また、上述のタイトルを含めたプロジェクトに関わる、コラボアーティスト・クリエイターの人選を、すべてバトルスメンバー自らが行っている点も独自の取り組みとなっています。原盤「グロス・ドロップ」のさらに前作である、ファーストアルバム「ミラード」リリース後に脱退したメインボーカル、タイヨンダイ・ブラクストンの穴を補うべく、高い完成度を追求しています。
購入においてはアルバムの他、ダウンロードの形も便利に活用できます。日本版ディスクには限定のダウンロードカードを封入しており、音源展開とネットワーク販売を上手く結びつけた取り組み面が反映されています。
同バンド独自の美学が、さらに広いジャンルのアーティストを巻き込んで表現されるその作風には、これまでのバトルスを聴き尽くしている方でも、また新たな新鮮さをも感じることができるでしょう。加えて、ユーモアな面の活かされたラインナップは、あなたの感性を退屈させません。より豊かなミュージックライフに活かせる一枚です。